【院内広報誌】けいめいだより99号【2024年10月号】

けいめいだより

2024年10月の木村病院 院内広報誌【けいめいだよりNo.99】をお届けします。

【けいめいだより】今月のコラム【痛風(つうふう)】

痛風 ‐ ある日突然、激痛に襲われます! ‐

打撲や捻挫などしていないのにある日突然、母趾(足の親指)の付け根が赤く腫れて激痛に襲われることがあります。風が吹いても痛いということで「痛風」と呼ばれています。男性に多い病気です。

足に多く、足関節、足の甲、アキレス腱の付け根、膝関節、手関節にも「痛風発作」が起こることがあります。「痛風発作」は2,3日~1週間ほどで痛みは和らぎますが、正しい診断・治療を受けずに放置していると、同じような発作を繰り返し病態は悪化していきます。

痛風のイメージイラスト
画像はイメージです。(C)イラストAC

原因・病態(高尿酸血症が原因です)

痛風の背後には、「高尿酸血症」という病気が潜んでいます。尿酸は「プリン体」から分解され発生します。通常は、産生と排出(主に尿から)のバランスが保たれていますが、過剰に産生されたり、排出がうまくいかなかったりすると、体内の尿酸は一定量を超えてしまいます。こうして血液内で溶けきれなくなった尿酸が結晶化して組織内や関節内にたまっていきます。たまった尿酸結晶に対して免疫細胞が反応し、炎症を起こして「痛風発作」となるのです。

高尿酸血症とは?

尿酸の血液中の濃度が7.0㎎/dlを超えた状態が高尿酸血症です

高尿酸血症の状態が続くと、「痛風発作」を起こさなくても、尿酸結石が腎臓に生じ、腎機能が悪化し腎不全にもなります。また、高尿酸血症は糖尿病や脂質代謝異常症、高血圧を合併しやすいことも知られています。これらの生活習慣病は動脈硬化の危険因子でもあります。結果的に狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患を引き起こすことがあります。

高尿酸血症の原因は様々です。体質や生活習慣によって腎臓からの尿酸の排泄する機能が低下したり、暴飲・暴食、肥満激しい運動などが原因なることが知られています。

診断

通常は臨床症状や血液検査での血中尿酸値から診断は可能です。化膿性関節炎や偽痛風など似た症状を起こす疾患もありレントゲン撮影や血液検査などから判断します。痛風発作の直後では尿酸値が正常なこともあります。

予防・治療

痛風を予防・改善するには、食べ過ぎに注意して肥満を改善すること、プリン体を多く含む食品やアルコールを控えることなどが必要です。さらに尿酸の排出を促すために十分な水分(水やお茶で)を取ることも必要です。それでも血中尿酸値が高い場合やすでに痛風を発症している時は、尿酸の産生を抑制したり、排出を促す内服薬が必要になってきます。

痛風発作時には消炎鎮痛剤を用います。発作が治まってから尿酸値をコントロールする薬を開始します。

「痛風発作」が起こらないからといって、薬を勝手にやめると血中尿酸値が再び上昇し再発作を起こす方が非常に多いです。薬は長期間の服用が必要です。

プリン体の多い食品と少ない食品
プリン体の多い食品と少ない食品の例

今月の栄養科だより ~秋「旬」野菜やイモ類~

収穫の秋、味覚の秋の到来です。野菜や芋類はそれぞれの「旬」に栄養価が最も高く、秋野菜は夏の疲労を回復し、冬の寒さに耐える、体を温める効果があります。

秋野菜
秋野菜のイメージ(C)イラストAC

にんじん

β-カロテンとカルシウム、食物繊維が豊富。特にβ-カロテンは皮に多い。調理法による吸収率への影響が大きく、β-カロテンは油で調理すると吸収率が上がり、酢の影響を受けやすく吸収率が下がる。生には血糖値を下げる効果があると期待されている。

里芋

ガラクタンとムチンという「ぬめり成分」が含まれている。胃腸や肝臓を保護し、たんぱく質の消化・吸収を高める。ムチンは熱で分解されやすく、下茹は短時間に行う。カリウムが豊富でナトリウムの排出を助ける。「ぬめり成分」は水溶性食物繊維でもあり、便秘解消にも期待されている。

ごぼう

薬草の一種として中国から伝わり、現在もハーブとして用いられている。不溶性食物繊維が豊富。アミノ酸の一種のアルギニンが多く血管拡張作用がある。クロロゲン酸というポリフェノールも豊富に含まれており活性酸素を抑制する、水に溶けやすいためアク抜きは不要と言われている。

大根

白い部分はジアスターゼという「消化酵素」を多く含み、胃もたれ胸やけに期待されている。皮の方が身より2倍多く含んでいる。辛味成分ラファサチンやイソチオシアネートは、有害物質を解毒する働きがあり、すりおろした時に発生する。

れんこん

ビタミンCが豊富。不溶性食物繊維が多く便秘解消、動脈硬化、高血圧の予防に期待されている。レクチンが免疫力アップを助け、タンニンは抗酸化作用、止血、胃潰瘍の予防に期待されている。

かぼちゃ

種類が3つあり、日本南瓜は「会津、菊座」の名前があり煮崩れしにくく、味がたんぱく。西洋南瓜は店頭に並んでいるほとんどの品種。ペポカボチャは鑑賞用。β-カロテン(皮に多い)、ビタミンEが豊富で野菜上位の量が含まれている。ビタミンEは抗酸化作用や血管拡張作用があり血流促進し冷えや肩こり、頭痛に効果があると期待されている。

健康教室のお知らせ

木村病院では、地域の皆さまがいつまでも健康で元気に生活できるようにという想いを込めて、健康に関連するテーマで毎月【健康教室】を開催しています。参加は無料・予約制です。お気軽にご参加をお待ちしております。

2024年10月の健康教室

日時:10月24日(木)13時~14時
内容:健康診断でわかること
講師:木村病院 外来看護師
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。

認知症カフェのお知らせ

木村病院認知症カフェ【み♡まもるCafe】は、認知症のご本人やご家族が、どなたでも気軽に参加できる憩いの場所です。お茶を飲みながら、いろいろなことを相談できます。皆様のお越しをお待ちしております。

2024年10月の認知症カフェ

日時:10月10日(木)14時~16時
内容:ハロウィンを楽しみましょう!
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。
※参加費200円を頂戴しております。

休診のお知らせ

【午前診】
10/11(金)門司Dr.、堀米Dr.
10/26(土)岡田Dr.
10/30(水)西田Dr.
10/31(木)西田Dr.

【夕診】
10/4(金)門司Dr.
10/11(金)門司Dr.

10月の診療体制


以上、2024年10月の院内広報誌【けいめいだよりNo.99】をお届けしました。紙面は木村病院外来1階でも配布しております。

【院内広報誌】けいめいだより100号【2024年11月号】
【院内広報誌】けいめいだより99号【2024年10月号】
【院内広報誌】けいめいだより98号【2024年9月号】
【院内広報誌】けいめいだよりNo.97【2024年8月号】
【院内広報誌】けいめいだよりNo.96【2024年7月号】
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