2025年8月の木村病院 院内広報誌【けいめいだよりNo.109】をお届けします。
【今月の特集】心房細動と脳梗塞のリスク
皆さんは、野球の長嶋監督のように健康そうに見えた方が、なぜ68歳という若さで脳梗塞になられたのかと疑問に思われた事はありませんか?
実は、見た目には元気な方でも「心房細動」という不整脈を持っていると脳梗塞になるリスクが高まることが知られています。

今月は、当院の神経外科医が心房細動と脳梗塞について解説いたします!
心房細動ってどんな病気?
心房細動は、心臓の上部にある「心房」という部分が小刻みに震えるように動いてしまう不整脈の一種です。
通常、心臓は規則正しくポンプのように血液を全身に送り出していますが、心房細動になるとこのリズムが乱れてしまいます。

なぜ脳梗塞のリスクが高まるの?
心房がきちんと収縮しないと、心房の中の血液がよどんでしまい、そこに血の塊(血栓)ができやすくなります。この血栓が心臓から脳に流れていってしまうと、脳の血管を詰まらせてしまって脳梗塞を引き起こすのです。脳梗塞は、突然体の片側が麻痺したり、言葉が出にくくなったりするなど、重い後遺症を残す可能性があります。場合によっては命に関わることもあります
健康そうに見える人でも注意が必要な理由
心房細動は、自覚症状がない場合も少なくありません。動悸や息切れを感じる方もいますが、「何となく疲れやすいな」「年のせいかな」と感じる程度で、まさか心房細動だとは思わない方もいます。そのため、健康診断などで偶然見つかることも多いのです。また、普段から運動をしている方や、見た目がスリムな方でも心房細動になる可能性はあります。年齢を重ねるごとにリスクは高まりますが、若い人でも発症しないとは限りません。
脳梗塞を防ぐためにできること
心房細動と診断された場合、脳梗塞を予防するために血液を固まりにくくする薬「抗凝固剤」を服用することが非常に重要です。また、カテーテルを使って、心臓の中の壁を焼いて心房細動を起きないようにする治療も可能となってきています。
もし、ご自身やご家族、身近な方で動悸や脈の乱れを感じることがあると言った症状がある場合は、一度医療機関を受診して相談してみましょう。
麻痺や言葉の障害が起こったら
また、脳梗塞を起こした可能性のある場合(体の麻痺や言葉の障害が生じた場合)には様子を見ていてはいけません。一刻も早く救急車を呼んで、脳神経外科などのある病院に運んで貰うことが必要です。脳の血管に詰まった血液の塊を薬で溶かしたりカテーテルで取り除くことで脳への血流を出来るだけ早く再開し、脳の細胞が壊れるのを防ぎ、後遺症を減らすことが最も大切です。

心房細動は自覚症状がないことも少なくない病気です。
年に1回は、健康診断を受診しましょう!
栄養科だより ~水溶性ビタミンについて3~

健康教室のお知らせ
木村病院では、地域の皆さまがいつまでも健康で元気に生活できるようにという想いを込めて、健康に関連するテーマで毎月【健康教室】を開催しています。参加は無料・予約制です。お気軽にご参加をお待ちしております。
2025年8月の健康教室
日時:8月28日(木)13時~14時
内容:睡眠と健康
講師:木村病院 看護師
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。
認知症カフェのお知らせ
木村病院認知症カフェ【み♡まもるCafe】は、認知症のご本人やご家族が、どなたでも気軽に参加できる憩いの場所です。お茶を飲みながら、いろいろなことを相談できます。皆様のお越しをお待ちしております。
2025年8月の認知症カフェ
日時:8月14日(木)14時~16時
内容:夏祭り
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。
※参加費200円を頂戴しております。
8月の診療体制

以上、2025年8月の院内広報誌【けいめいだよりNo.109】をお届けしました。紙面は木村病院外来1階でも配布しております。



