【院内広報誌】けいめいだより105号【2025年4月号】

けいめいだより

2025年4月の木村病院 院内広報誌【けいめいだよりNo.105】をお届けします。

【特集】心不全パンデミックとは?心不全の早期発見に向けて

今月は、心不全について、循環器内科の専門である当院の院長がご説明します!

心不全パンデミックについて

パンデミックとは、感染症が国や地域の枠を超えて世界的に大流行することを指します。

例えば、新型コロナウイルス感染症は、2020年に世界的なパンデミックとして認定されました。ただし、近年では感染症だけでなく、特定の病気や健康問題が急速に広がり、社会に大きな影響を与える場合にも。比喩的に「パンデミック」という言葉が使われることがあります。

「心不全パンデミック」という表現は、心不全の患者数が急激に増加し、医療や社会に深刻な影響を与える状況を指します。これは感染症の流行とは異なりますが、医療体制に大きな負担をかけるという意味で、パンデミックになぞらえて使われるようになりました。

心不全とは、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態を指します。症状としては、息切れ、むくみ、疲れやすさなどが挙げられます。早期発見と適切な治療が重要です。

心不全の検査について

当院では、心不全の早期発見・評価のために以下の検査を実施しています。

1.BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)検査

BNPは心臓から分泌されるホルモンで、心臓の負担が増えると血液中の濃度が高くなります。BNPの測定により、心不全の診断や重症度の評価が可能です。

2.心エコー(心臓超音波)検査

心エコーとは超音波を用いて心臓の構造や動きを観察する検査です。心臓の大きさや血液の流れ、心筋の動きを確認できます。超音波を発するプローブを胸に当てて検査します。痛みはなく、体への負担が少ない検査です。

この検査で、心臓のポンプ機能(収縮・拡張)、弁膜症の有無、心筋の異常を調べる事ができます。

3. CPX(心肺運動負荷試験)検査

CPXとは心肺機能を評価するための運動負荷試験で、心臓と肺の働きを詳しく調べることができます。

エルゴメーター(自転車型の運動機器)を使用します。マスクを装着し、呼気ガス分析を行いながら心電図や血圧を測定します。この検査では、以下を調べます。

  • 運動耐容能(どの程度の運動が可能か)
  • 心不全の重症度評価
  • 治療効果の判定

エコー検査は、静止時の心機能評価に優れていますが、運動中や立位での検査はできません。

一方、不整脈などは運動時に現れやすいため、エコー検査だけでは十分な判断が難しく、CPX検査が重要になります。CPXでは「最大酸素摂取量」を測定し、全身の心肺運動能力を評価できます。

研究によると、「最大酸素摂取量」が十分ある場合、エコー検査の結果が悪くても予後は比較的良いとされています。心肺運動負荷検査(CPX)は、心臓手術後のリハビリだけでなく、健康維持や最適な運動量の把握にも活用できます。アスリートの間では一般的で、近年は高校でも導入されています。

適切な運動は、無理な食事制限より効率的なダイエットにつながります。

木村院長
木村院長

ご不明点がありましたら、お気軽に医師または医療スタッフまでご相談ください。

今月の栄養科だより ~ちょうどよいバランスの食生活 Part2~

仕事や家事・育児、勉強や趣味… やりたいこと、やらなくてはいけないことで一杯の毎日。 健康な心と体は、そんな毎日の資源です。 「ちょうどよいバランスの食生活」は、心と体を健康に保つキホン! ライフスタイルは人それぞれですよね。 それぞれに、「ちょうどよいバランスの食生活」があるはず。 一緒に考え、実践し、広げてみませんか?

認知度チェック

食事や栄養に関する情報があふれていますが、正しい情報の見極め、自信がありますか?知識度チェックをしてみましょう。

  • 自分のエネルギー摂取量が適切かどうかは、食べたもののエネルギーを計算しないとわからない。
答えは… 

×です! 体重の増減は、エネルギーの摂取量と消費量のバランスの目安です。
消費量<摂取量であれば、体重が増え、消費量>摂取量であれば、体重は減ります!

「ちょうどよい」体型の目安は?

自分の体型チェックに便利なのが体格指数(BMI)です。65歳以上の目標とする範囲は、21.5~24.9(kg/m²)。この範囲内の人は、そうでない人よりも病気のリスクが低いと言われています。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

エネルギーは摂りすぎも摂らなさすぎも問題!

痩せすぎや、無理な「ダイエット」はとても危険。骨がもろくなるなど、健康問題のリスクを高めます。特に女性の場合、将来生まれてくる子供の健康にも影響があると言われています。

痩せていても肥満!?

痩せている人でも、筋肉や骨と比べて脂肪が多い、いわゆる隠れ肥満の人がいるといわれています。必要なエネルギー量が摂取できない、筋肉の材料になるタンパク質や筋肉をつくるために必要な栄養素が不足している可能性があります。

定期的に体重測定をして、食生活を見直していきましょう!

健康教室のお知らせ

木村病院では、地域の皆さまがいつまでも健康で元気に生活できるようにという想いを込めて、健康に関連するテーマで毎月【健康教室】を開催しています。参加は無料・予約制です。お気軽にご参加をお待ちしております。

2025年4月の健康教室

日時:4月24日(木)13時~14時
内容:健康寿命とは?~元気で長生きするために~
講師:木村病院院長 木村衛
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。

認知症カフェのお知らせ

木村病院認知症カフェ【み♡まもるCafe】は、認知症のご本人やご家族が、どなたでも気軽に参加できる憩いの場所です。お茶を飲みながら、いろいろなことを相談できます。皆様のお越しをお待ちしております。

2025年4月の認知症カフェ

日時:4月10日(木)14時~16時
内容:2025年度の認知症カフェについて
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。
※参加費200円を頂戴しております。

4月の診療体制

診療体制の変更について

•勝野Dr.診療開始《整形外科》
4月7日(月)~午前診【月・火・木・金】

•担当医変更《整形外科》
木曜午前診:永谷Dr.⇒赤尾Dr.
土曜午前診:1週目のみ丹羽Dr.

•担当医変更《内科》
土曜午前診:岡田洋Dr.⇒岡田梨Dr.


以上、2025年4月の院内広報誌【けいめいだよりNo.105】をお届けしました。紙面は木村病院外来1階でも配布しております。

【院内広報誌】けいめいだより105号【2025年4月号】
【院内広報誌】けいめいだより104号【2025年3月号】
【院内広報誌】けいめいだより103号【2025年2月号】
【院内広報誌】けいめいだより102号【2025年1月号】
【院内広報誌】けいめいだより101号【2024年12月号】

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