【院内広報誌】けいめいだよりNo.96【2024年7月号】

けいめいだより

2024年7月の木村病院 院内広報誌【けいめいだよりNo.96】をご紹介します。

【けいめいだより】今月のコラム

帯状疱疹(たいじょうほうしん)について

帯状疱疹とは?

身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い発疹と水ぶくれが帯状にあらわれる病気です。帯状疱疹は身体の中に潜んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。

帯状疱疹を患っている人のイラスト
帯状疱疹による水ぶくれと辛い痛み(イメージ)

初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した時は水ぼうそうとして発症します。しかし、水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内の神経節に潜んでおり(潜伏感染)、加齢、ストレス、過労などによりウイルスに対する免疫力が低下すると、潜んでいたウイルスが再び活動を始め、神経を伝わって皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。

水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
日本では、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。

合併症

一般的な合併症として、発熱や頭痛がみられることがあります。また、顔面の帯状疱疹では、角膜炎や結膜炎などを起こすことがあります。また、まれに耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などが起こることがあります。

帯状疱疹後神経痛(Postherpetic neuralgia【略称:PHN】)

皮膚の症状が治った後も痛みが持続することがあり、3ヶ月以上続いた場合、これを帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます。これは急性期の炎症によって神経が損傷することによって起こります。
50歳以上で帯状疱疹を発症した人の約2割がPHNになるといわれており、80歳以上の高齢の方では約3割とより高くなります。

痛みの程度は人それぞれですが、重症な場合は、夜も眠れないほどの痛みが続くこともあります。

治療法

主に抗ウイルス薬の内服で治療を行います。また必要に応じて、痛みに対して鎮痛剤を使います。

帯状疱疹の予防接種について

帯状疱疹の予防接種には、生ワクチン(1回接種)不活化ワクチン(2回接種)の2種類があります。
接種対象者はいずれのワクチンも50歳以上の方で、不活化ワクチンのみ、「帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の方」も対象となっています。

名古屋市では、名古屋市に住民登録がある方で、満50歳以上の方は費用助成の制度があります。

①生ワクチン(1回接種)【製品名:ビケン】

皮下注射です。予防効果は50%程度、効果は5年程度です。自己負担金は費用助成後で、4200円です。

②不活化ワクチン(2回接種)【製品名:シングリックス】

筋肉内注射です。1回目接種の2か月後から6か月後までに2回目を接種します。予防効果は90%以上で、10年以上効果が続きます。自己負担金は費用助成後で10800円/回(2回接種で21600円)です。

皮膚科医
皮膚科医

帯状疱疹にかかると、帯状疱疹後神経痛というつらい痛みが残ってしまう場合があります。
予防接種によって帯状疱疹の発症や重症化、また帯状疱疹後神経痛を予防することができます。まだ打っていない方はぜひ積極的に検討してみてください。

今月の栄養科だより

食中毒にご用心!低温調理に気を付けましょう

近頃流行している「低温調理」レシピは、おいしさを追求するあまり、どうしても加熱不足になりがちです。肉の加熱についての注意ポイントを3つにまとめました。

低温調理には注意しましょう※画像はイメージです。/(C)写真AC

①低温調理をする際は、温度と時間の管理をしましょう

皆さんが思っている以上に、低温調理は時間がかかります。鍋内の水温を一定に保つことができる低温調理器を用い、鶏ムネ肉(約300g、厚さ約3cm)をジッパー付き袋に入れて加熱します。鶏肉のもともとの温度は14~22℃です。63℃のお湯に入れて温度を維持して加熱した場合、肉の内部温度が63℃になるのに平均して68分かかりました。(ここで内部温度とは肉の三か所の温度を測定した中で最も低い最低温度のことです。)

②肉の見た目では、安全な加熱をできたかどうか判断するのは不可能です

自己流アレンジは禁物です。『温度管理なんて面倒。加熱できたかどうか、見た目で判断すれば十分では!?』そう考える人もいるでしょう。しかし、それは不可能です。内部温度が63℃に達したばかりの鶏ムネ肉の外観と、殺菌に必要な30分の温度維持をした鶏ムネ肉の外観はほぼ同じです。切った断面を見比べても、違いがありません。牛モモ肉の加熱でも、外観では区別できません。

③余熱を利用するレシピは控えましょう

塊肉の表面を焼いた後にアルミホイルで包んだり、肉をジッパー付き袋に入れてお湯につけっぱなしにするなど、余熱を利用するレシピは、肉の温度が食中毒を防止できるほどには上がらないので、控えましょう。

食中毒予防の3原則

  • 食品に菌をつけない(手をしっかり洗う)
  • 食品に付着した細菌を増やさない(長時間、持ち歩かない)
  • 食品に付着した細菌をやっつける(しっかり加熱)
栄養士
栄養士

正しい対策を行い、食中毒を予防しましょう!

健康教室のお知らせ

木村病院では、地域の皆さまがいつまでも健康で元気に生活できるようにという想いを込めて、健康に関連するテーマで毎月【健康教室】を開催しています。参加は無料・予約制です。お気軽にご参加をお待ちしております。

2024年7月の健康教室

日時:7月25日(木)13時~14時
内容:動くと息切れしませんか?~心臓病と運動のおはなし~
講師:木村病院 理学療法士
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。

認知症カフェのお知らせ

木村病院認知症カフェ【み♡まもるCafe】は、認知症のご本人やご家族が、どなたでも気軽に参加できる憩いの場所です。お茶を飲みながら、いろいろなことを相談できます。皆様のお越しをお待ちしております。

2024年7月の認知症カフェ

日時:7月11日(木)14時~16時
内容:七夕の飾り付け
場所:木村病院 3階会議室
参加方法:木村病院1階受付および電話(052-781-1119)にてご予約ください。
※参加費200円を頂戴しております。

休診のお知らせ

2024年7月の休診情報

<内科>
7/29(月)、30(火)、31(水)⇒瓜野Dr.休診

7月の診療体制


以上、2024年7月の院内広報誌【けいめいだよりNo.96】をご紹介しました。紙面は木村病院外来1階でも配布しております。

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